漂遊する脳髄

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読書日記・3

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『幻想小説大全 * 鳥獣虫魚』/ 北宋社


古今東西の、鳥獣虫魚にからんだ幻想譚を集めています。
ひとつひとつは短篇なので読みやすいですが、
中身は全29篇と読み応えあり。

こういった怪談ぽいものを読むといつも感じるのですが、
西洋と東洋ではやはり、不気味さの演出に湿度的な違いがあるような・・・
うまく表現できないのですが・・・(v_v;)

ホラー映画でも、西洋のはどちらかというと襲われる場面が残虐で恐いとか、
血が大量に流れて恐さを盛り上げているとか派手な恐さ(?)なのが、
日本のホラーになると、じっとり心理的に恐いとか、生理的に不気味と感じるものを
見せられる恐さとか、そういう部分に重きが置かれている気がするのです。
あくまで私の感想ですけども。
もともとホラー映画は恐くて見られないしね(笑;)



ところで、このアンソロジーの中で、特に印象に残った終わり方をした
小説がありました。
それはこんな文章なのですが・・・
↓↓↓

<ーーーショックと恐怖に頭がぼうっとなり、ミス・ローズはこけつまろびつして、
 部屋を、そして家を、雨の降る戸外へと飛び出し、南東のテムズ河堤防のほうへ、
 ブロムトン路まで駆けていった。そして、カドガン・スクエアまでたどりつきー
 やっと我にかえった。それから走るのをやめ、首をうしろに投げだすようにして、
 悲鳴をあげはじめた。>
   (「水槽」カール・ジャコビ/中村能三・訳)


ここでお話は終わります。

なんだか、この唐突さが落ち着かない。
恐怖の正体をはっきりとは目の前に提示せず(だいたいの姿は分かるのだけど)、
さらにそいつをどう処置するのかという方向性も見出せず、
読み手も共にこの不気味さのなかに宙ぶらりんのまま捨て置かれる終わり方。
悲鳴をあげはじめたミス・ローズは、私の頭の中でずっと悲鳴をあげ続ける。
なんという驚愕。その絶望感。

この不安感に充ち満ちた結末の文章に、私はしばらく
ボンヤリしてしまったのでした。。。

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コメント


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日本と西洋の幽霊は正反対ってよくいうよね。
西洋はポルターガイストとか音がなるものが多い。

リングもリメイクされたけど(ハリウッドのんは観てないけど)「現象」が激しいみたいだね。

西洋のホラー小説ってそういう変な終わり方がたまにある気がします。
それとはちょっと違うけど、ヘンリー・ジェイムズの本はだいたい最後に誰かが死んで終わりだった…。
それで話のオチとして解決っていうのも変な感じで納得できませんでした。

もも | URL | 2009年11月30日(Mon)22:14 [EDIT]


→ももちゃん

なるほど・・・日本の幽霊は音もなく後ろに迫っていたりするのが
恐いもんね(^_^;)
欧米ではたとえ幽霊といえども、激しく自己主張しなければ
存在を認められないんでしょーか・・・☆

ももちゃんは読書家だよね!♪
どういうジャンルをよく読むの?

こちらもホラーじゃないけど、『醜女の日記』という小説も
最後が急な断絶で、ちょっと呆然としてしまったことがあります(笑;)
あの座りの悪さみたいなのがかえって強い印象を
残すのでしょうかね・・・

aya | URL | 2009年12月01日(Tue)09:10 [EDIT]


そんなに読書家でもないけど、ここ数年でいつか読もうと書き留めておいた本をだーっと読んだよ。

特にジャンルとかはないけど、一時期は近代小説をよく読んだ時期もありました。
でも凄く面白いって思ったのは江戸川乱歩の「人間椅子」というタイトルの短編小説集かな~。

他の短編も少し読んだけど、これが一番好き♪
子供の頃って明智小五郎シリーズの子供向けのイメージがあったけど、この人の真髄はこの変態ぶりにあった!って感じです(笑)。
mixiのレビューにも読んだ本の感想等書いてありま~す。

醜女の日記…タイトルからして面白そうだね。

もも | URL | 2009年12月01日(Tue)14:08 [EDIT]


→ももちゃん

ももちゃんのブックレビュー見てるよ!
私もチェックしてる本は沢山あるんだけど、
全然読めてないなぁ・・・
しかも、リストに書いてない本ばっかり読んじゃったり
してさ(^_^;)
チェックした本はいつか読めると思って安心するせい
なのだろうか・・・

江戸川乱歩!!
私も一時期ハマって、図書館でかなり借りたよ♪
今だったら無理そうなトリックも沢山あるけど、
あの、人間に潜む変態性は共通かも?!(笑)

aya | URL | 2009年12月03日(Thu)00:31 [EDIT]


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